元ラジャダムナン王者石井宏樹さんに聞いたT-98ラジャダムナン防衛戦

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元ラジャダムナン王者石井宏樹さんに聞いたT-98ラジャダムナン防衛戦

10月9日、タイ、ラジャダムナンスタジアムで行われたラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級タイトルマッチ。挑戦者プーム・アンスクンピットを相手に3RKO勝利。日本人として現地ラジャダムナンで初のタイトル防衛という快挙を成し遂げたT-98。その歴史的な一戦を、元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級王者の石井宏樹さんに振り返って頂きました。

”ムエタイゴリラ”T-98が日本人として史上初!ラジャダムナンスタジアムでの王座防衛に成功!

石井宏樹

石井宏樹

1979年生まれ。東京都目黒区出身。、元ラジャダムナン・スーパーライト級王者。元新日本キックライト級王者。ムエタイの殿堂ラジャダムナン・スタジアムのベルトを獲得。
それまでに同タイトルを獲得した選手が誰一人成し遂げることが出来なかったタイトル防衛を外国人として初めて成功した。引退後は小野寺力が代表を務めるRIKIXにてトレーナーを務め後身の指導に励む。

Twitter https://twitter.com/hiroki_ishii141
ブログ http://www.diamondblog.jp/official/gonkickgonlife/

 

序盤からスピードでも上回ったT-98が主導権を握る

1R

T-98選手(以下敬称略)に体格のアドバンテージがあり、ローキックとパンチで前進。プームは序盤からプレッシャーを感じてそうですね。

石井さん「体格で勝るT-98ですが、スピードでも上回り、ローでの攻撃でプームにプレッシャーを与えている印象のスタートです。」

プームはフィジカルの差を感じていて、蹴りでは押し返せないと感じたのか、パンチ主体の戦術を選択しているように感じますが。

「プームは近い距離を嫌い、腕を伸ばしながら距離を取ってるんですが、T-98のプレッシャーが強く、蹴りの距離が保てなくなっているので、パンチ先行になったのだと思います。

ただ、プームのパンチに対し、T-98は硬直して貰ってしまっている場面もありますね。

「いえ、プームのパンチに対し、T-98は左腕を伸ばしながら、しっかり相手の動きをみてガードしてます。プームのパンチに怖さを感じてない様子です。」

T-98

プームの首相撲は巧みだったが、T-98のローが効いていた

2R

開始から距離が近づいき、組みが増える展開へと変わりました。

「プームはローの圧力を感じたのか、首相撲での作戦に変えたんだと思います。」

プームの足払いでT-98は何度か転ばされてます。これはなぜ成功したんでしょうか。

「プームは首相撲のときに、グローブでT-98の鼻を塞ぎ呼吸を出来なくさせ、そこに気を取られてる隙に転ばしてます。また、T-98の大きく振り回しながら打ち込むヒザに対し、ヒザとは逆の方向に転ばす仕掛けのタイミングが絶妙です。」

中盤からはT-98のパンチ、ローの圧力の前に、プームの手数が減っていきます。もうT-98のローキックは効いていたんでしょうか。

「T-98のローキックは、2R中盤でもうかなり効いてます。プームは中途半端な距離にいるとローを貰ってしますので、下がって距離を取るしかなくなってきたのでしょう。

T-98の放つパンチは手打ちにも見えるんですが、威力がありそうです。

「T-98は、パンチからローをつなげたいので、大振りにならないような打ち方でパンチを打っています。顎に入れば倒せるパンチです。」

T-98はセコンドの声を聞き、ボディーからローでプームを沈めた

3R

どんどんパンチとローで出てくるT-98に対し、プームはローがカット出来ず防戦一方になっていきます。なぜプームはローをカット出来なかったんでしょうか。

「2R終了後にセコンドのジャルンチャイから、ボディーへのパンチ攻撃がないと指摘されてました。ボディーパンチからローキックを蹴れというアドバイスが出ていたのが印象的です。プームはT-98のパンチを警戒するあまり、ガードがかなり高くなっています。ガードが高い分、お腹のガードは開きやすくなっていますので、そこにパンチを入れてお腹を意識させてからのローを蹴れとアドバイスしたのでしょう。素晴らしいアドバイスだったと思います。3Rが始まってから、T-98はジャルンチャイの指示をしっかり聞き、ボディーからローを蹴ってます。ローも左右に蹴ってますので、プームは対応しきれず、序盤から蹴られている左足が効き、最後は心が折れて倒れたのだと思います。」

T-98 ラジャダムナン 防衛

敵地でもセコンドの指示を守り、冷静な試合運びができるT-98

総括して頂くと、まずT-98の勝因はどこにあったのでしょう。

「実力も上回ってましたが、この場面でどうすべきか。セコンドの的確なアドバイスをしっかり聞き、実行出来たことでしょう。」

対して、挑戦者のプームのミスはどこにあったんでしょう。

「プームは、1R目から雑にパンチでいった分、ローをコツコツ蹴られ、2Rという早い段階から足を効かされてしまった。それで、ムエタイをやる前に、T-98にコントロールされてしまったように感じます。」

この試合でT-98選手の良かったところはどこでしょう。

「T-98は、プームのヒジを怖がらず、とにかく下がることなくパンチとローをしっかり繋いでいけるところが良かったです。また、ラジャダムナンスタジアムというアウェーのリングでも、セコンドの言うことをしっかり聞けて、行動出来ているところが素晴らしいと思います。

防衛を続けていって欲しい

ありがとうございます。T-98選手の今後に期待することなどはありますか。

「T-98には、これからどんどん防衛していって貰いたいですし、ラジャダムナンスタジアムで判定勝利※(下記解説)する姿も個人的には見てみたいです。」

最後にT-98選手にメッセージをお願いします・

「次戦の12.5「KNOCK OUT vol.0」で、初の快挙を成し遂げた男の戦いをとても楽しみにしております。」

※ タイで行われるムエタイは判定基準が日本のキックボクシングと異なり、なにが評価されるのかが非常に複雑で分かり辛いものとなっています。それは、現地で戦うムエタイ選手ですら、どっちが勝ったかわからないという場面があるほど。その為、現地で判定勝利をするには、ムエタイにおいて、何が評価されるのか、何が評価されないのかを理解する必要があり、日本人にとっては大きなハードルとなっている。ラジャダムナンで判定勝利すると言う事は、その基準をよく理解した上で、試合を自分のペースで進められたと言う証でもある

T-98は「KNOCK OUT vol.0」で、”コスプレファイター”長島☆自演乙☆雄一郎と対戦。現役ラジャダムナン王者が、長年キックボクシング70㎏級のトップ戦線で戦ってきた長島を相手にどんな試合を見せるのか。T-98にとって史上初のラジャダムナンスタジアムでのタイトル防衛という快挙からの凱旋試合です。12月5日の異色対決にぜひご期待ください!

T-98VS長島☆自演乙☆雄一郎

「KNOCK OUT vol.0」12月5日(月)会場18:00 開始19:00
会場:TOKYO DOME CITY HALL

チケットぴあ:http://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=1646550
Peatix:http://peatix.com/event/202733

イベント詳細http://www.knockout.co.jp/event/1612